新しくWebサイトを作ろうと考えたとき、多くの人が「WordPress(ワードプレス)」と「STUDIO(スタジオ)」という2つの選択肢で悩むのではないでしょうか。
「デザインがおしゃれなSTUDIOが気になるけど、機能が不安…」
「定番のWordPressは難しそうだし、保守が大変って聞く…」
「結局、うちの会社にはどっちが合っているの?」
これまでWordPressで70サイト以上のホームページ制作に携わってきたWebディレクターが解説します。
結論から言えば、どちらも非常に優れたツールですが、得意・不得意が全く異なります。間違った選択をすると、「作りたかった機能が実装できない」「運用コストがかさみすぎる」といった失敗につながりかねません。
この記事では、多くのサイト制作に携わったプロの視点から、WordPressとSTUDIOを7つの軸で徹底比較します。それぞれの強みと弱みを理解し、あなたの目的に最適なツールがどちらなのかを明確に判断できるようになります。
- WordPressとSTUDIOの根本的な違い
- それぞれのメリット・デメリットの詳細
- 制作スピードやコスト、SEO対策の違い
- デザインや機能の「限界点」
- 目的別の判断基準
【結論】WordPressとSTUDIOは「目的」で選ぶ
まずは結論から。両者の違いが一目でわかる比較表をご覧ください。
| 比較軸 | WordPress(ワードプレス) | STUDIO(スタジオ) |
| 得意なサイト | 大規模サイト、ブログ、ECサイト | コーポレートサイト、LP、ポートフォリオ |
| デザイン自由度 | ◎(無限) (※ただしHTML/CSS/PHPの知識が必要) | ◯(非常に高い) (※ノーコードの範囲内) |
| 機能の拡張性 | ◎(無限) (プラグインでほぼ何でも実現可) | △(限定的) (会員機能、EC、複雑な検索は不可) |
| 制作スピード | △(遅い) (環境構築・コーディングが必要) | ◎(早い) (デザインがそのまま公開可能) |
| 運用・保守 | △(手間がかかる) (サーバー・本体・プラグインの更新必須) | ◎(非常に楽) (サーバー管理不要、自動更新) |
| SEO対策 | ◎(100点を目指せる) (プラグインで詳細な設定が可能) | ◯(80点を目指せる) (基本的なSEO設定は十分可能) |
| コスト | サーバー代+ドメイン代 (+有料テーマ・プラグイン代) | STUDIOのプラン料金 (※無料プランは機能制限あり) |
この表の通り、2つのツールは全く異なる思想で作られています。
- WordPressは「拡張性」と「所有権」を重視するなら最適な選択肢「家(サーバー)」と「土地(ドメイン)」を自分で用意し、自由に増改築(カスタマイズ)できる「持ち家」のようなものです。ECサイトやメディア運営など「何でもやりたい」人向けですが、家のメンテナンス(保守・管理)も自己責任となります。
- STUDIOは「デザイン」と「手軽さ」を重視するなら最適な選択肢サーバー管理や保守が全てパッケージ化された「家具付きの高級賃貸マンション」のようです。デザイン重視で、制作・運用コストをとにかく下げたい人向け。ただし、「このマンションではペットは飼えません(=会員機能は作れない)」といったルール(機能制限)の中で暮らす必要があります。
STUDIOとは?メリット・デメリット
STUDIOは、日本発のノーコードWeb制作プラットフォームです。デザインツールを触るような直感的な操作で、コーディング(専門的なプログラミング)なしで、そのままWebサイトを公開できるのが最大の特徴です。
STUDIOのメリット
- 圧倒的なデザイン自由度
- 制作スピードがとにかく早い
- サーバー管理・保守が一切不要
- 直感的なCMS(ブログ・ニュース更新)
1. 圧倒的なデザイン自由度
コーディングが不要にもかかわらず、プロレベルのデザインが可能です。余白の調整、アニメーションの設定など、従来のノーコードツールでは難しかった「細部へのこだわり」を視覚的に実現できます。
2. 制作スピードがとにかく早い
デザインがそのままWebサイトとして機能するため、「デザイン」→「コーディング」という制作工程の「コーディング」が丸ごと不要になります。これにより、制作期間を大幅に短縮できます。
3. サーバー管理・保守が一切不要
Webサイト運用で最も手間がかかるのが、サーバー管理やセキュリティ対策、システムのアップデートです。STUDIOはこれら全てをプラットフォーム側が自動で行ってくれるため、専門知識ゼロでも安心して運用できます。
4. 直感的なCMS(ブログ・ニュース更新)
ブログやニュースの更新機能(CMS)も非常に直感的です。クライアントやWeb担当者が、見たままの感覚で記事を追加・編集できます。
STUDIOのデメリット
- 1. 機能の限界(これが最大の弱点)
- 2. SEO対策の限界
- 3. CMSアイテム数(記事数)の制限
1. 機能の限界(これが最大の弱点)
STUDIOはノーコードで手軽な反面、「できないこと」が明確に決まっています。
- 会員登録・ログイン機能
- EC(ネットショップ)の決済機能
- 複雑な検索機能(例:不動産サイトの絞り込み検索)
これらの機能が将来的に少しでも必要な可能性がある場合、STUDIOは選択肢から外れます。
2. SEO対策の限界
メタタグの設定やブログ執筆など、基本的なSEO対策は問題なく行えます。しかし、WordPressの専用プラグインでできるような「ページの表示速度の極限までの最適化」や「構造化データの詳細な設定」など、100点を目指すための高度なチューニングは困難です。
3. CMSアイテム数(記事数)の制限
WordPressは何万記事でも無料で投稿できますが、STUDIOは契約プランによってCMSで公開できる記事数に上限があります。
WordPressとは?メリット・デメリット
WordPressは、世界中で最も使われているCMS(コンテンツ管理システム)です。Webサイト全体の40%以上がWordPressで作られていると言われています。
WordPressのメリット
- 圧倒的な機能拡張性(ほぼ何でもできる)
- デザインの完全な自由度
- SEOの優位性(100点を目指せる)
- コンテンツの所有権(自社の資産になる)
1. 圧倒的な機能拡張性(ほぼ何でもできる)
WordPressの最大の強みは「プラグイン」による拡張性です。世界中の開発者が作った5万種類以上のプラグイン(追加機能)により、
- ECサイト(WooCommerce)
- 会員制サイト
- 予約システム
- SNS連携
など、思いつくほぼ全ての機能を後からでも追加できます。
2. デザインの完全な自由度
コーディング(HTML/CSS/PHP)さえできれば、デザインに一切の制約はありません。STUDIOでは実現不可能な特殊なレイアウトや、データベースと連携した複雑な表示も可能です。
3. SEOの優位性(100点を目指せる)
「All in One SEO」や「Yoast SEO」といった強力なプラグインを使うことで、技術的・詳細なSEO対策を徹底的に行えます。オウンドメディアやブログで検索流入を本気で狙うなら、WordPressが最適です。
4. コンテンツの所有権(自社の資産になる)
サーバーもデータもすべて自社で管理するため、プラットフォームの規約変更やサービス終了といったリスクに左右されません。Webサイトは完全に「自社の資産」となります。
WordPressのデメリット
- 保守・管理が必須(最大の注意点)
- 専門知識が必要
- 制作期間とコストがかかる
1. 保守・管理が必須(最大の注意点)
私がWordPressで70サイト以上制作してきた経験上、これが最もお伝えしたいデメリットです。
WordPressは「自己責任」のツールです。サーバー管理、WordPress本体、プラグインのアップデートを定期的に行わないと、
- サイトが突然表示されなくなる
- セキュリティホールを突かれてハッキングされる
- プラグイン同士が干渉して機能が停止する
といった致命的なトラブルが起こり得ます。保守管理の知識がない場合は、必ず制作会社や専門家と保守契約を結ぶ必要があります。
2. 専門知識が必要
高いデザイン自由度や機能実装には、HTML/CSS/PHPなどのコーディングが必須です。知識なしで扱えるのは、既存の「テーマ(テンプレート)」の範囲内に限られます。
3. 制作期間とコストがかかる
サーバー契約、WordPressのインストール、テーマ選定、コーディング、プラグイン設定など、公開までに必要な工数がSTUDIOに比べて圧倒的に多く、その分コストもかかります。
あなたはどちらを選ぶべきか?
ここまで解説した内容を踏まえ、あなたがどちらを選ぶべきか、ケース別にまとめました。
▼STUDIOがおすすめな人・企業
- とにかくデザインにこだわりたい
- 制作スピードを最優先し、早く公開したい
- サーバー管理やアップデートなどの保守作業から解放されたい
- 制作するサイトがコーポレートサイト、LP(ランディングページ)、ポートフォリオである
- 将来的に複雑な機能(EC、会員機能)を追加する予定が「絶対に」ない
▼WordPressがおすすめな人・企業
- 将来的にEC化や会員制など、機能を追加する可能性がある
- ブログやオウンドメディアを運営し、数百〜数千記事を管理したい
- SEOを徹底的に最適化し、検索流入を最重要視する
- 社内にWeb担当者がいる、または保守管理を外部に委託する予算がある
- プラットフォームに依存せず、Webサイトを自社の「資産」として所有したい
まとめ
STUDIOとWordPressは、どちらが優れているかではなく、**「Webサイトで何を達成したいか」**という目的によって使い分けるべきツールです。
- 「手軽さ」と「デザイン」でスピーディーにビジネスを始めるならSTUDIO。
- 「拡張性」と「資産性」で長期的に大きく育てるならWordPress。
今回の比較が、あなたのWebサイト制作の成功につながれば幸いです。
Webサイト制作でお悩みではありませんか?
もし、あなたの会社に最適なツール選びや、具体的な制作で迷われているなら、ぜひ一度私たちにご相談ください。
私たちは、WordPressでの70サイト以上の豊富な制作経験を活かし、お客様のビジネスの目的やご予算、将来の展望を丁寧にヒアリングした上で、STUDIOとWordPressのどちらが最適かをフラットな視点でご提案します。
WordPressを選ばれる場合は、最もトラブルが起きやすい保守・管理までワンストップでサポート。
まずは無料相談から、お気軽にお問い合わせください。

